銀行口座の相続手続きの流れ|必要書類・期間・凍結解除を行政書士が解説

亡くなった方の銀行口座は、名義人の死亡が銀行に知られると凍結され、家族であっても入出金ができなくなります。凍結を解除して預金を受け取るには、「①銀行への連絡 → ②必要書類の準備 → ③銀行への提出 → ④払い戻し」という流れで相続手続きを進めます。必要書類は遺言書の有無によって変わり、手続き完了までの期間は一般的に2週間〜1か月程度が目安です。
目次
銀行口座の相続手続きとは?まず知っておきたい基本
口座名義人が亡くなったことを銀行が把握すると、その口座は凍結されます。これは、一部の相続人が勝手に預金を引き出すことを防ぎ、相続財産を保全するための措置です。凍結されると、通帳・キャッシュカード・ATMのすべてが使えなくなり、公共料金などの自動引き落としも停止します。
実務では「親の口座から葬儀費用を引き出そうとしたら、すでに凍結されていた」というご相談を多くいただきます。2019年の民法改正で、一定額までは仮払いを受けられる「預貯金の払戻し制度」が新設されているため、葬儀費用等で急ぎ資金が必要な場合はこの制度の活用も検討できます。
銀行口座の相続手続きの流れ【4ステップ】
ステップ① 取引銀行に連絡する
預金通帳やキャッシュカードから取引銀行・支店名を確認し、電話で相続手続きの方法を問い合わせます。多くの銀行に相続専用のフリーダイヤルが用意されているので、公式サイトの案内に従うとスムーズです。この連絡をもって、口座は正式に凍結されます。
ステップ② 必要書類を準備する
銀行から案内される「相続手続依頼書」に加え、戸籍謄本などの書類を揃えます(詳細は後述)。なお、戸籍の収集は相続手続きの中で最も手間のかかる作業で、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要になります。
ステップ③ 書類を銀行に提出する
準備した書類一式を銀行に提出します。そのため、複数の銀行に口座がある場合は、それぞれに手続きが必要です。
ステップ④ 払い戻し・名義変更を受ける
書類に不備がなければ、預金が指定口座に払い戻される、または名義変更が行われます。提出から入金までは、通常1〜2週間程度かかります。
銀行口座の相続手続きに必要な書類
主な必要書類は「遺言書がある場合」と「遺言書がない場合」で異なります。
遺言書がある場合
- 銀行指定の相続手続依頼書
- 遺言書(自筆証書遺言の場合は家庭裁判所の検認済証明書または法務局の遺言書情報証明書)
- 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本
- 預金を受け取る方(受遺者・相続人)の印鑑証明書
- 通帳・キャッシュカード
遺言書がない場合
- 銀行指定の相続手続依頼書
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書(作成している場合)
- 通帳・キャッシュカード
遺言書がない場合、相続人全員の署名・実印が必要になるため、遠方のご家族がいると書類の郵送だけで数週間かかることも珍しくありません。また、疎遠なご親族がいる場合には、そもそもどのように連絡を取れば良いかわからない方も多いです。当事務所では、この相続人への連絡・郵送・取りまとめ作業も代行しています。
手続きにかかる期間の目安
| 状況 | 期間の目安 |
| 遺言書があり、相続人が少ない | 2週間〜1か月程度 |
| 遺言書がなく、遺産分割協議が必要 | 1〜3か月程度 |
| 相続人が多い・疎遠な相続人がいる | 3か月以上かかることも |
期限は法律で定められていません。ただし放置すると口座が休眠預金となったり、次の相続(数次相続)が発生して手続きが複雑化したりするため、早めの対応をおすすめします。
よくある質問(Q&A)
- 残高がゼロや少額の口座も、相続手続きは必要ですか? A. 残高がゼロの場合、手続きは必須ではありませんが、放置にはリスクがあります。詳しくは「残高がない口座は相続する必要ある?」で解説しています。少額でも払い戻す場合は、通常の相続手続きが必要です。
- 口座が凍結される前に、預金を引き出してもいいですか? A. トラブルの原因になるため、おすすめできません。一部の相続人が勝手に引き出すと、他の相続人との間で紛争になったり、単純承認とみなされて借金も相続してしまう可能性があります。葬儀費用などで急ぎ資金が必要な場合は、「預貯金の払戻し制度」を利用しましょう。
- 平日に銀行へ行く時間が取れません。代行してもらえますか? A. 可能です。行政書士が代理人として、書類の収集・作成から銀行とのやり取りまで代行できます。お仕事で平日に動けない方に多くご利用いただいています。
- 複数の銀行に口座があります。まとめて手続きできますか? A. 銀行ごとに個別の手続きが必要です。ただし、戸籍謄本などの共通書類は「法定相続情報一覧図」を作成することで、金融機関毎に何度も原本を提出する手間を省けます。当事務所では、法定相続情報一覧図の作成も承っております。
銀行口座の相続手続きは行政書士に相談を(CTA)
銀行口座の相続手続きは、書類の収集や銀行ごとに異なる書式への対応など、想像以上に手間がかかります。特にお仕事をされている方にとっては、平日日中の対応が大きな負担になりがちです。
柴田行政書士事務所では、世田谷区用賀を拠点に、戸籍収集から銀行とのやり取り、預金の払い戻しまでをワンストップで代行しています。初回のご相談は無料です。「何から手をつければいいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
柴田 駿(しばた しゅん)/行政書士(登録番号:第2308419号) 柴田行政書士事務所 代表。慶應義塾大学法学部卒業後、東急株式会社にて不動産売買業務に従事。その後、不動産クラウドファンディングのスタートアップを経て、2023年に柴田行政書士事務所を開業。相続・終活と不動産実務の両分野に精通し、相続手続きから不動産の出口戦略までワンストップで支援している。「争う相続をなくす」ことを理念に、家族の対話を支援する「家族未来会議」も主宰。
所在地:東京都世田谷区用賀4-9-12 BIZcomfort用賀02号室
