銀行口座の相続手続き について解説。 残高がゼロの口座の相続 は必要?
この記事では、銀行口座の相続手続きの方法や、 残高がゼロの口座の相続 は必要なのかについて解説します。
目次
相続財産の中で銀行口座の重要性
相続財産には様々な種類がありますが、国税庁のデータによると、令和元年分の相続税申告された財産のうち、現金や預貯金が占める割合は全体の33.7%です。多くの相続には銀行口座が含まれており、相続手続きを迅速に進めることが重要です。相続発生直後は葬儀費用や生活費の引き落としが必要となるため、銀行口座の手続きを早めに行うことが望まれます。
死亡した人の銀行口座をそのままにするとどうなる?
口座名義人が死亡した場合、まず銀行に連絡し、手続きを開始します。連絡後、銀行口座は凍結され、相続手続きが完了するまで預金の引き出しができなくなります。これは財産保護のための措置であり、相続人が確定するまで無断で引き出されることを防ぐためです。銀行口座は分割しやすく、生活費にも充てられるため、早めに相続手続きを進めることが重要です。
銀行口座の相続手続きの流れと必要書類
銀行口座の相続手続きは以下の流れで進めます。
①取引銀行に連絡する
預金通帳やキャッシュカードから取引銀行や支店名が判明したら、電話で手続きの要領を聞いておきます。銀行によっては相続専用のフリーダイヤルもあるので、公式ホームページの案内に従うと便利です。名義人の死亡を伝えると口座が凍結されるため、今後利用しないサービスは解約しましょう。
②必要書類を揃える
銀行口座を相続するには、以下の書類が必要です。
遺言書がある場合
– 銀行指定の相続手続依頼書
– 預金通帳およびキャッシュカード
– 遺言書
– 遺言書の検認調書または検認済証明書
– 被相続人の戸籍謄本
– 相続手続依頼書
公正証書遺言が作成されている場合の探索方法については、こちらのページもご確認ください。
自筆証書遺言が法務局に保管されている場合の探索方法については、こちらのページもご確認ください。
遺産分割協議を行った場合
– 銀行指定の相続手続依頼書
– 預金通帳およびキャッシュカード
– 遺産分割協議書
– 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
– 相続人全員の戸籍謄本
– 相続人全員の印鑑登録証明書
遺言書も遺産分割協議書もない場合
– 銀行指定の相続手続依頼書
– 預金通帳およびキャッシュカード
– 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
– 相続人全員の戸籍謄本
– 相続人全員の印鑑登録証明書
③必要書類を提出して解約または名義変更する
必要書類が揃えば銀行窓口に提出し、書類に不備がなければ、約2週間で相続手続きが完了します。普通預金は解約後のお金が指定口座に振り込まれ、定期預金は名義変更して満期まで保有できます。
相続手続き前に銀行口座の預金を引き出す方法
相続手続き前に預金を引き出す方法として、次の方法があります。
亡くなる前に引き出す
本人からの依頼で預金を引き出すことが可能ですが、私的な使い込みと見なされないよう証拠を保管しておきます。
亡くなった後に引き出す
暗証番号を知っていればATMで引き出せますが、他の相続人の了承を得ることが必要です。
相続預金の仮払い制度を利用する
2019年7月から相続預金の仮払い制度が導入され、家庭裁判所の仮処分や銀行窓口で一部預金の引き出しが可能になりました。
銀行口座をそのままにしておくべきケース
相続放棄や預金残高が少額な場合は、銀行口座をそのままにしておく方が良いこともあります。相続放棄をする場合、預金を引き出すと単純承認が成立してしまいます。
また、預金残高がゼロであったり極端に少ない場合は、手続きの手間やコストに見合わないこともあります。
残高がゼロの口座の相続手続きの詳細については、こちらの記事 もご確認ください。
まとめ
相続にはまとまった資金が必要であり、迅速に手続きを進めることが重要です。相続手続きが遅れると遺産の有効活用ができなくなるため、専門家の助けを借りることも検討してください。相続の専門家に依頼すれば、現金化までの時間を大幅に短縮することができます。