遺留分を放棄 する手続きと注意点について解説。被相続人の生前にも手続きは行える?
法定相続人が一定の相続分を保証される権利である「遺留分」の制度は、あまりに不平等すぎる遺産分割を避けられるメリットもある一方、相続人間の争いごとの原因となる場合があります。そのため、事前に 遺留分を放棄 したい、放棄して欲しいと考えるかたもいらっしゃいます。こちらの記事では、この 遺留分を放棄 するための手続きや気を付けるべきポイントについて解説します。
目次
生前に 遺留分を放棄 するためには家庭裁判所の許可が必要
遺産を相続させたくない相続人がいる場合、その人に遺留分を放棄させることが考えられます。しかし、生前に遺留分放棄をさせるためには、家庭裁判所の許可が必要です。許可を得ずに念書を書かせても法的効力はありませんので注意が必要です。
遺留分放棄の申立てと許可の基準
生前に遺留分を放棄させるには、家庭裁判所に遺留分放棄の申立てを行い、許可を得る必要があります。許可が得られる基準として、以下の点が考慮されます。
- 自由な意思に基づいていること
放棄が強制や圧力によるものでないことが確認されます。 - 合理的な理由があること
相続人が生前贈与を受けている場合や、生活が安定している場合などが考慮されます。 - 適切な財産給付があること
放棄の代償として適切な財産給付が行われているかどうかも判断基準となります。
遺留分を放棄 した後の放棄の取り消しについて
生前に許可を得た遺留分放棄は、基本的には取り消しが難しくなりますが、状況が大きく変わった場合には裁判所に申し立てを行うことで取り消しが可能です。
死後の遺留分放棄は家庭裁判所の許可が不要
一方、被相続人の死後には、家庭裁判所の許可なく遺留分を放棄することができます。この場合、念書を書くことで放棄が法的に有効となります。ただし、遺留分を放棄しても相続権そのものがなくなるわけではないため、特定の相続人に一切の遺産を相続させたくない場合は、遺言書の作成が不可欠です。
まとめ
遺産相続に関するトラブルを避けるためには、専門家のアドバイスを受け、遺留分放棄や遺言、生前贈与などの方法を組み合わせて早めに備えておくことが重要です。行政書士等の専門家に相談して、適切な対策を講じることをお勧めします。
関連記事:相続人の廃除 について解説。財産を相続させたくない相続人がいる場合はどうする?
遺産分割協議書についてお困りの方、相談すべきかわからない場合でも、世田谷で相続・不動産を専門に活動している「柴田行政書士事務所」にご相談ください。お気軽に下記フォームよりお問い合わせいただけます。