【両親への声掛け文例集(その2)】将来の介護や相続の話を親に切り出したら気まずくなった!リカバリーのための言葉選びを考えよう

「親の老後や相続のことを話し合っておかなければ!」と思い、親へ話を切り出したはいいものの「縁起でもない」「まだ早い」「準備しているから心配するな」と話し合いを断られ気まずくなった…という話をよく聞きます。
せっかく勇気を出して話を切り出したのに、話し合いまで進めないと、骨折り損ですよね。
今回は、介護や終末期医療、実家の取り扱いや相続などのセンシティブな話題について、親世代に話を切り出したけれど話し合いに進めなかった場合に、どのようなコメントをすればいいのか。具体的なリカバリー用の声掛け文例を紹介します。
なお、こちらの記事は以下の記事の続編になります。まだお読み出ない方は、先に以下の記事を読んでいただくことをおすすめします。
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目次
親から話し合いを拒否されたときに意識すべきポイント
せっかく提案したのに断られると、嫌な気持ちになりますよね。
ですが、諦めるのはまだ早いです。
まずは1回落ち着いて、以下の要素を意識しながらリカバリーしていただければと思います。
- 親の拒否に共感
- 安心材料やメリットを提示
- ゆるやかに軌道修正
この3つの要素を意識して話すと、親の心も穏やかになり、提案も受け入れやすくなるのではないでしょうか。
続いて、3つの要素を踏まえた具体的な文例をお伝えします。
よくある断られ方と、リカバリー用の文章例
例①「まだ元気だから」と断られたが、リカバリーできた例
Before
子「この前、同僚が親の介護で実家に戻ることになって、仕事を早期退職したんだよね。万が一、父さんと母さんの介護が必要になったときに、家族で誰がどうサポートするか、事前に話しておいた方がおれ自身が安心できると思ったんだ。だけど介護の話はよくわからないから、一度、専門家に同席してもらいながら家族全員で話す時間をもらえないかな?ちょうど知り合いから「家族未来会議」っていうサービスを紹介してもらったから、使ってみない?」
親「まだ元気なんだから、そんなの必要ないよ。」
After(リカバリー)
子「そうだよね、元気なのが一番だよね。でも “元気な今だからこそ” 軽い気持ちで話せると思うんだよ。1回話しておけば、いざという時にも安心できるかなって思ったんだけど、どうかな?」
例②「死んだ後のことは勝手に決めてくれ」と断られたが、リカバリーできた例
Before
子「最近、終活や相続についての記事を読んで、ちゃんと準備しないとって焦ったんだ。遺言や財産のことを整理しておくと、将来手続きがスムーズになると思うんだ。家族だけで話すと難しいと思うから、第三者にファシリテートしてもらって話すのもアリだと思うよ。」
親「死んだ後の話は、全部任せるから。勝手に決めていいよ」
After(リカバリー)
子「確かに死んだ後の話って思うと、どうでもいいっちゃどうでもいいよね。でもおれとしてはどちらかというと『親父が生きている間』のことを心配していて。例えば要介護状態になったときにおれが介護した方がいいのか、とか、どこか入りたい施設があるのかとか。大きな病気をしたときに延命治療は希望するのか、とか。一度話しておけると親父としても俺としても安心かな、と思うんだけど、どうだろう?」
例③「まだ早いんじゃないの」と断られたが、リカバリーできた例
Before
子「知り合いが相続した実家を売却するか維持するかで揉めたって話を聞いてさ。実家をどうするかって、自分たちの住まいや生活にも関わってくるから、できれば早めに話しておきたいんだよね。今度のお盆に、みんなが集まったとき少し話せないかな?」
親「そんなの、まだまだ先の話だよ。」
After(リカバリー)
子「確かに急ぐ話じゃないよね。でも、家族全員が集まれる機会もなかなかないし、後回しにすると時間がなくなることもあるかもしれないから…。お盆は“きっかけ”くらいでいいから、軽くでも話せたら安心かな。」
例④「お金の話は嫌」と断られたが、リカバリーできた例
Before
子「この前、テレビで相続争いのドキュメンタリー番組を見て、兄弟が絶縁状態になったのを見て怖かったんだよ。相続で揉めたり困ったりしないように、家族みんなが納得できる方向を一緒に考えたいんだ。まずは一度、家族全員の希望について整理してみるのはどうかな?」
親「家族でお金の話をするのは嫌だな。」
After(リカバリー)
子「分かるよ、いきなりお金の話は重たいよね。もしお金の話は嫌だったら、たとえば実家やお墓を残していきたいかの希望だけでも教えてもらえない?」
例⑤「ちゃんと準備しているから、心配しないで」と断られたが、リカバリーできた例
Before
子「叔父さんの家、相続で揉めたって聞いたよ。仲が良い家族でも揉める…っていうケースもあるみたい。うちの家族は仲がいいから大丈夫かなとは思いつつ、揉めごとの火種になりそうなことがあれば、家族仲いい今だからこそ前もって話しておいたほうがいいのかな?と思って。久しぶりに親父とお袋、おれと兄貴だけで話してみない?」
親「相続についてはちゃんと準備しているから、心配するな。」
After(リカバリー)
子「ちゃんと準備してくれているんだ、ありがとう!できれば、どんな準備をしているか少し聞かせてもらえるとおれも兄貴も安心できると思うから、話を聞かせてもらってもいいかな。」
例⑥「話すと不安になる」と断られたが、リカバリーできた例
Before
子「友達のお父さんが末期がんで、延命治療をするかしないかの判断が友達1人に委ねられて、すごくつらかったんだって。お母さんは元気だからいまは全然関係ないけど、もし将来、自分にそんな判断が委ねられたら…と想像したらすごく怖くなっちゃって。逆に、大きい病気になってからだとリアルすぎて話せなくなるだろうから、いまのうちに一度話を聞かせてくれない?」
親「話すと不安になるから嫌だな。」
After(リカバリー)
子「分かるよ、縁起でもない話だから嫌だよね。でも、不安にさせたいんじゃなくて、“安心のため”に聞いておきたいんだ。お父さんお母さんがどうしたいかを知っておけると、私も安心できるんだよ。」
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