内縁の妻の相続 について解説。何もしないとパートナーに相続権はない!
こちらのページでは、 未婚のパートナーの相続 (いわゆる 内縁の妻の相続 または夫の相続)についてご説明いたします。
近年、より多様なライフスタイルが受け入れられるようになり、実質的に夫婦としての共同生活を送ってはいるが入籍はしていないという関係も数多く存在します。いわゆる内縁や事実婚などと呼ばれているものです。
内縁とは一般的に「婚姻の意思をもって共同生活を営み、社会的にも夫婦と認められているものの、婚姻届を提出していない事実上の夫婦」を指します。婚姻届を提出していないので法律上の婚姻関係とは認められていません。
しかし、事実上の婚姻生活を営んでおり、婚姻届を提出していないこと以外は他の夫婦となんら変わりありません。
そのため、入籍をしていない内縁の夫婦であっても、共同生活に関する部分はなるべく婚姻届を提出した夫婦と同様の権利義務を適用しましょうというのが裁判所の考えになっています。
例えば、内縁関係であっても、相互に婚姻費用の分担義務や、同居・協力・扶助の義務、日常家事債務の連帯責任などが認めらています。
また内縁関係を解消した場合、財産分与請求、慰謝料請求や損害賠償請求をすることが認められるケースもあります。
しかし、内縁関係が一方の死亡によって解消した場合おいて、未婚のパートナーに相続権は認められておりません。法定相続人は、「婚姻届の提出」という形式的な要件、つまり戸籍のみで決定するためです。
いかに長年連れ添ったとしても、婚姻届の提出をしていないため、未婚のパートナーは法定相続人ではありません。さらにいうと、内縁の夫が事業を営んでいて内縁の妻がその事業を手伝っていたような場合であっても、法定相続人でない内縁の妻は寄与分を主張することができません。
内縁の妻の相続 を行う方法
内縁の妻が遺産を承継する方法について、解説いたします。
1. 内縁の夫に相続人がいる場合
内縁の妻には相続権がないので、何も手当をしない場合、夫の遺産はすべて法定相続人に引き継がれます。この場合には、遺言書を作成することによって、内縁の妻に遺産を承継させることが出来ます。
ただし、遺言書を作成した場合でも法定相続人には遺産の一定割合を遺留分として請求する権利がありますので、法定相続人から遺留分減殺請求がされた際には、遺言の内容どおりに遺産を受け取ることができないケースもあります。
なお、法定相続人が兄弟姉妹である場合には、兄弟姉妹に遺留分はありませんので全ての遺産を受け取ることが出来ます。
遺言書を作成することのメリットについては、こちらの記事もご確認ください。
2. 内縁の夫に相続人がいない場合
遺言がなかった場合であっても、内縁の夫に法定相続人がいなければ、内縁の妻は特別縁故者として家庭裁判所に対し相続財産付与の審判を求めることで、遺産を承継できる可能性があります。
内縁関係と遺産相続についてお困りの方、相談すべきかわからない場合でも、世田谷で相続・不動産を専門に活動している「柴田行政書士事務所」にご相談ください。お気軽に下記フォームよりお問い合わせください。